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2017.05.19(Fri):森に逃げたい


季節が無い風景と言う心象は今更だけど我ながら痛々しく思えて笑ってしまう。トンネルの向こうからは微かに風が吹いてきている。良く見れば何人かトンネルの入口に集まっている。みんな下手くそな曲線を描いてここまで来たようで、とりどりの色の曲線を引きずっている。ゆっくりと一人一人自分の曲線を振り返って気が済んだようにトンネルに入ってゆく。私も振り返ってみた。私の曲線は点線つまり破線であり色はついていない。それも途中で途絶えている。私は仮面を落とした。ここまで被ってきたこと自体、己の意固地な性が悲しい。私の仮面は一重ではない。近いうちにすべて仮面は朽ちて落ちるだろうが、もう遅い。毒虫に噛まれてでもして、トンネルに入っていくのだろう。それが私に相応しい儀式となろう。トンネルは暗いのではない。ただどこに続いているのか見えない。ひたすら寂としているのだ。

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2017.04.26(Wed):森に逃げたい
終わらせても終わらせても
今日はやってくる
僕らは気付かないふりをして日々を送ってきたんだ

今年も桜は美しく散った

もう少しで夏は力強くやってくる

僕に残された力はあまりない
知っている
時間を後ろに送っているのではないことを

単に僕が変化しているだけだ
日増しに日差しは強くなっているのに
僕の影は淡い
案外美しいものだ
へへへへ・・・



2017.03.01(Wed):森に逃げたい


水曜日なのに深海魚の夢を見た
ゆうべ食べた深海魚が成仏したのだろう
明日は生ごみ回収の日だから骨は焼かれて炭素になって
深海魚は空高く舞う
僕も誰かが使った炭素でできている

通勤電車の窓は雨で濡れている
快晴の日なのに
今日は水曜日なのだ
深海のように静かな雨が降っていなければならない


2016.09.28(Wed):森に逃げたい

僕の友人はよくこんな夢を見たそうです
その友人はもういません

せっかく東京の郊外に一戸建てを買って
奥さんのおなかには初めての子供が宿って
幸せの絶頂だったんですが
彼は体調を崩してしまって
残念なことをしました


広場


雑木林を散歩しているはずだった
ふと自分の体に違和感を覚えて
立ち止まりよくよくあらためてみると
僕は子供だと気が付く

ああそうだ僕は子供なんだ
大人の夢を見ていたんだ

雑木林の中に広場があって
知らない子供たちが遊んでいる
僕もその仲間に入れてもらって遊ぶ



坂道


広場の奥には細い小道がある
その小道は入るとすぐに急坂になっている
なっていると言うより
坂になっているらしいと言ったほうが正しい
小道には絶対入ってはいけないと大人に言われている
そんな気がした

だから誰もこの小道の先がどうなっているかを知っている子はいないはずだ

それを承知で僕は小道に入っていった
遊んでいる他の子たちは誰も僕を止めなかった

道幅は人一人がやっと通れる程度で思ったよりも急な下り坂だった
意外にも舗装のまね事のようにコンクリートを均してあたたので歩きやすかった

しばらく下ると急なカーブになっていて先がどうなっているのかわからない
少し怖かった
勇気を出してさらに進むとまた急なカーブがある
森が深くなっているようで薄暗くカーブの先はさらに不安に暗い

足どりはだんだん遅くなっていく
もう戻ろうかと思い始めたころ
視界が開けてきた
線路だ
右から山を回り込んでカーブしている

小道は線路に出たところで終わっていた
僕は線路脇に立った
ほっとした気分だった
別に怖いところに続く道ではなかったんだと思った



列車


線路の向こう側に人がいた
おばあさんだった
ニコニコして手招きしている
何かくれるような気がして

僕は線路を渡った
つもりだった

こんもりとした森のカーブから特急列車が現れた

小動物にぶつかったような音がして
運転手は列車を緊急停止した
車内アナウンスを車掌にまかせて運転席から線路に降り立った

えらいことになったな
子供だ・・・



夢から覚める


私は悪い夢から覚めたようだ
汗をたくさんかいている
人身事故の夢なんてしかも子供なんて・・・

せっかくの非番の朝なのに嫌な目覚めだ

ようやく長いローンを組んで郊外に買った戸建の
その寝室で私はぼんやりと夢のいやな後味を忘れようとしていた

あのガツン、ゴトンという全身に響く嫌な感触を消し去ろうとしていた



散歩に出る


あんな夢を見た後では食欲はない
朝食はいらないと妻に言い残して
散歩に出た

東京郊外のこの町も都市化が進んではいるが
私のうちの裏にはこんもりとした小山がまるまる公園として残されていた
公園といっても入口に数台の車が止められる駐車場とトイレがあるだけで
あとは雑木の里山だ
歩き出せば気持ちいい
つまらない夢のことは馬鹿馬鹿しいことだった
引っ越してきて良かったと思った



森の中の広場


雑木林をどこへ行くともなく歩いているうち

体に違和感を感じるようになった

立ち止まりよくよくあらためてみると
私は子供だと気が付く

ああそうだ私は子供なんだ
大人の夢を見ていたんだ

雑木林の中に広場があって
知らない子供たちが遊んでいる

仲間に入れてと声をかける
みんなは私を受け入れてくれた

広場の奥には小道があった
小道に入ってはいけないということは知っている
どうして知っているのだろうという疑問が脳裏をかすめたが
どうしても小道の奥に行ってみたいと思った




2016.08.06(Sat):森に逃げたい
手を切らないように注意深く
パイのように薄い薄い
ガラスの板を
つかず離れず立ててゆく
何層も何層も

本日は壁を作るのが私のしごと

ガラス板の層を重ねることは
透過する光を純化させるため
純化した光しか届かないものがある
届かせなければならないところは
消えることのない心


風があってはガラスのしごとはできない
丘に登って遠くの街の煙突の煙を見る

ひねった綿菓子のように直立した煙は動かない
本日は風がない


今日中にそこの角まで仕上げてしまわねばならない

明日あたりもう一人ここにやってくる
泣くことは許されない
動揺は私の手元を狂わせる
ガラス板で指を切るくらい構わない
泣いてはいけない

私の命が終わるまでに
ここの森をガラスの壁で囲ってしまわなければならない
そんな気がした


夕方勤務が終わったら
砂浜を散歩しよう
青い喪服を脱いで
白いシャツの第一ボタンをはずして
今日は波がヒタリとも打たないはずだ
風がない日は時間も流れないのだ

美しい貝を拾おう


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