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2016.03.31(Thu):思いつくままに

三度目のベルで電話に出てみると
花見の誘いらしい
どこかで聞いた声なのだけれど
誰だか思い出せない
知らない人のような気もする
声だけが私の内耳を撫でる

女性だけのお花見にお邪魔しては・・・
ことわりの声音を柔らかく混ぜたつもりだったのに
あなただったら平気でしょホホホホホ
強い口調なのに優しく決めつけてくる

小さいころからそうだった
ままごとのゴザの上で赤ん坊の役をやらされていた

お雛祭りは女の子の祭りだからと
一人で端っこに座らされていた


すでにみんな集まっているらしい
影がゆらいでさざめいた声が聞こえる

綺麗な水なので川底の石が冷たく重いことまではっきりわかる

毛氈が敷かれていた
警察が使うような青いシートでなくて良かったと思った

河原は白い玉石が続いていて気持ちがいい
暑くも寒くもない夕風が吹く
桜はどこにもない
なんの花も咲いてはいない
お花見ではなかったのだと思った

毛氈の上は心地よかった
質素な川魚の甘露煮を食べて
お酒ももらった

毛氈の端に漆塗りの箱がある
恐らく四四十六に仕切られているらしい
小物を各々の桝に入れて飾ってもいいような箱だ

美しい箱が気になってきた
一つ一つの桝に何が入っているのか見てみたい
覗こうとするけれど
人が動いて邪魔になってなかなか見られない

一桝あいてるわね次が最後ね
最後は誰の名前が入るのかしら
ひそひそ話が耳に入ってくる

私の耳に内緒話みたいに口を近づけて
電話をかけてきた声が言う
箱は見るもんじゃないのよ

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