2016.04.12(Tue):思いつくままに
運転手は白い制服を着ていた
帽子も白かった

月齢十三

バスは新しい街のやや斜め上
夜空を走る

僕の手は血だらけだ

街灯もない旧道でバス停を見つけた
停車場の名前が消えている
僕はバスに乗った

運転手は白い制服を着ていた
帽子も白かった

月は斜め前に出ている

乗客はみな静かで穏やかな顔をしている
勤め帰りの人
おばあさん
赤ん坊を抱いたお母さん
静かに静かにしている

僕は手を隠した

車内は明かりがついていなかった
月明りで十分だった

僕は一番後ろの席に一人で座って
そのうち眠くなった
すぐに起きたつもりだけれど
乗客は誰もいない
わかっている
だれもいなかったんだ

僕は手を見た
もうやめようと思った

新しい街が遠くに見えた
止まりますの紫ランプが車内にたくさん灯った
次は終点
僕は降りなければならない

運転手は白い制服を着ていた
帽子も白かった

月齢十三

一生
人の心がわからないまま終点である
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