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2016.06.20(Mon):森に逃げたい

リードのループに

が滑りこむ
犬は薄闇の中で

のように滑らかだ

森に向かえばいいのだ
朝なのか夕方なのか曖昧なのが気にかかる
いまは
時間が静止しているのだ

三角形
に風景を切り取りながら私は歩く

は見えない
リードから犬の心音が伝わる
切り取られた三角形
の風景は互いに空中でチクタク動きやがてくっつきあい幾何学模様になり風景に戻る


もっと早く風景を三角形に切り取らなければいけない
ような気がする
焦れば焦るほど風景が私を飲みこみに来るのだ

のリードを離してはいけない
もっと早く歩こう


ジャンッ
大きな音
に硬直した
閃光
を感じたようにも思う

三角形は二角形になり視界から消えた
私と犬は
白紙
のような二次元
に取り残された



2016.06.05(Sun):森に逃げたい

肉喰う人々は笑って酒を煽る

肉焼くひとは下を向いていている

トラックに乗せられた牛たちは涙を流している

華が降り注いだ夕暮れ

明日惑星が死ぬというのに
2016.05.27(Fri):森に逃げたい


た~ららら~~
とっ とっ と
たら

風にのってくるのは

独活で
瓜を叩くような

眠いような
泣いているような
間抜けたリズム

ゆるりゆるりと
厳かにはじまります

こどもたちの祭文

経のような謡のような呪文がかさなって


やはらかい喉は
羽毛のような首の持ち主

乳臭い声
たくさんの喉がなっている



もし
この声が聞こえるならば
こさがしの杜に許されたひと
杜に入る許しを得たもの


こさがしの杜は深い深い杜


た~ららら~~
とっ とっ と
たら ららら~

幼子が歌い舞っています

螺旋を描くように
ゆっくりゆっくり
歌い 舞っています


うっすらと微笑んで
幼子たちは変に大人びて


本当に悲しいのです

悲しくてしかたがないのです
だからうっすらと微笑んで

今宵月齢十五


蝶の葬儀をとりおこなっているのです




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